講師紹介
ようこそ
ムラマサ小説道場へ
村上政彦からのメッセージ
はじめまして、村上政彦です。ぼくは、デビューして26年間、小説を書いてきて、書くことの楽しみも苦しみもたくさん味わってきました。この経験が、小説を書きたいと考えている人に役に立つのであればとおもって、教壇へ立つことにしました。小説教室を始めようとおもったのは、大学で文芸創作のクラスを担当するようになったことがきっかけです。クラスの中には、小説を書きたいと考えている人が意外に多いことがわかりました。 プロの小説家を志望する学生もいれば、興味があるけれど、書き方がわからないという学生もいました。 かれらと小説を書きながら、大学の外にもこういう人達がいて、もしかすると小説の書き方を学びたいと考えているのではないか、と考えました。全国にはプロを目指すための様々な小説学校がありますが、基礎の基礎から学べるところは少ないと感じます。ムラマサ小説道場では、プロの小説家である村上政彦が一からわかりやすくお教えします。ぼくがどういう小説家であるかは作品を読んでもらうのが、いちばん早いのですが、その入り口として一言だけ自己紹介をします。
【好きなもの】おもしろい小説、映画(ウッディ・アレン、タルコフスキー、ジョン・フォードなど)、音楽(グレン・グールド、オスカー・ピーターソンなど)、小さな旅、柴犬、おいしいランチ、妻と2人の娘、5月の風。
【嫌いなもの】退屈な小説、言うのもおぞましいあの昆虫、まずい料理、寒さ。
生きるために小説を書く――そういう方との出会いを、心よりお待ちしております。
略歴
小説家、三重県出身、1958年8月23日生まれ。業界紙記者、学習塾経営などを経て、87年、『純愛』で、福武書店(現ベネッセ)主催・海燕新人文学賞を受賞し、作家生活に入る。以後『ドライヴしない?』『ナイスボール』『青空』『量子のベルカント』『分界線』で5回の芥川賞候補に。また『ナイスボール』は相米慎二監督により『あ、春』として映画化、ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。アジアの物語作家を自任している。近著に『台湾聖母』(コールサック社)。執筆活動の傍らで大学の非常勤講師として文芸創作のクラスを教える。2013年に初心者向けの小説作法書「小説を書いてみよう。」を出版。2014年に「ムラマサ小説道場」(ウェブサイト)を開設し、新人・若手作家の育成に力を入れている。日本文藝家協会会員(常務理事)。日本ペンクラブ会員。文化庁国語分科会委員。「脱原発社会をめざす文学者の会」事務局長。
著書紹介
- ・1991年 「ナイスボール」福武書店 のち集英社文庫
・1991年 「ドライブしない?」(「純愛」所収)福武書店 1991年
・1992年 「青空」福武書店
・1993年 「Zoo」海越出版社
・1994年 「アラブの電話」福武書店
・1994年 「魔王」集英社
・1995年 「トキオ・ウイルス」講談社 のちハルキ文庫
・1997年 「ニュースキャスターはこのように語った」集英社
・2000年 「東京難民殺人ネット」角川春樹事務所 (ハルキ・ノベルス)
・2002年 「君が代少年」を探して 台湾人と日本語教育 平凡社新書
・2003年 「見果てぬ祖国」ホセ・リサール原作/翻案 潮出版社
・2006年 「ハンスの林檎」潮出版社
・2008年 「三国志に学ぶリーダー学」潮出版社
・2010年 「三国志に学ぶ勝利学」潮出版社
・2012年 「世界の文学名場面を読む」第三文明社・21c文庫
・2013年 「小説を書いてみよう」第三文明社
・2014年 「作文を書いてみよう─こうすれば、きみも文章が書ける」第三文明社
単行本未収録作品
- ・1992年 「量子のベルカント」 文學界6月号 (芥川賞候補作)
・1993年 「分界線」 文學界6月号 (芥川賞候補作)
・1994年 「血の轍」 すばる12月号
・2001年 「蜜蜂の軍隊」 文學界12月号
・2003年 「陽炎の島」 文學界12月号
ラジオ作品
- ・「青空」 NHK (原作は福武書店「青空」所収の同名小説)
・「量子のベルカント」 ニッポン放送 (原作は文學界に発表の同名小説)
・「海に愛されたい思い出に」 NHK (オリジナルシナリオ)
・「ZOO」 TBS (原作は海越出版「ZOO」)
・「南へ、海へ」 NHK (原作は集英社文庫「ナイスボール」所収の同名小説)
映像作品
松竹映画「あ、春」 = 原作は集英社文庫「ナイスボール」所収の同名小説。
監督・相米慎二、主演・佐藤浩市、山崎努。99年ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞受賞。1999年度キネマ旬報ベスト1